
同じ分譲地なのに、なぜ価格が違う?1号棟と5号棟の価格差には理由があります
新築一戸建てを探していると、こんな物件を見かけることがあります。
「同じ分譲地なのに、1号棟は3,680万円。5号棟は3,380万円。」
「同じ新築なのに、300万円も違うのはなぜ?」
実は、これは珍しいことではありません。
同じ分譲地に建つ新築住宅でも、区画によって価格が違うのは普通です。
そして大切なのは、「高い棟=良い棟」「安い棟=悪い棟」とは限らないということ。
今回は、同じ分譲地の中で価格差が生まれる理由について、不動産を見るときのポイントと合わせて解説します。
1.土地の形が違う
まず大きいのが「土地」です。
同じ分譲地でも、すべての区画が同じ形をしているわけではありません。
きれいな長方形の土地もあれば、少し細長かったり、変形していたりする土地もあります。
土地の形が違えば、建物の配置や駐車スペース、庭の取り方にも影響します。
例えば、土地面積がほぼ同じでも、整った形の土地のほうが建物を配置しやすいケースがあります。
反対に、土地の形によっては建築できる建物の大きさや間取りに制約が出ることもあります。
そのため、「土地面積が同じくらいだから、土地の価値も同じ」ではありません。
2.道路にどう接しているか
次に確認したいのが「前面道路」です。
南側道路なのか、北側道路なのか。
道路の幅は何mあるのか。
どの方向から車を出し入れするのか。
こうした条件も区画によって変わります。
特に角地は、2方向が道路に面することで開放感が得られたり、車の出し入れがしやすかったりするため、価格に反映されることがあります。
ただし、角地なら必ず誰にとってもお得というわけではありません。
道路からの視線が気になる人もいれば、交通量が多い道路に面していることを気にする人もいます。
道路条件は「価格」だけではなく、自分たちの生活に合うかどうかで判断することが大切です。
3.日当たりが違う
同じ分譲地でも、建物の向きや隣の建物との位置関係によって、日当たりは変わります。
南側が開けている区画と、南側に別の住宅が建っている区画では、当然ながら光の入り方が違います。
ただし、ここでも注意したいことがあります。
「南向きだから絶対に明るい」とは限りません。
隣地との距離や建物の高さ、窓の位置などによって、実際の室内の明るさは変わります。
だからこそ、図面だけではなく、実際の現地を見ることが重要です。
4.駐車スペースが違う
戸建て住宅では、駐車場も大きなポイントです。
同じ「2台駐車可能」と書かれていても、実際の使いやすさは区画によって違うことがあります。
車を並列で停められるのか。
縦列になるのか。
道路から駐車場へ入りやすいのか。
大きなミニバンでも余裕を持って停められるのか。
自転車やバイクを置くスペースはあるのか。
車を日常的に使う家庭なら、価格差を見るときに駐車場はぜひ確認しておきたいポイントです。
5.建物そのものが違う
「同じ分譲地だから、家も全部同じ」と思ってしまいがちですが、実際には間取りや建物の大きさが違うこともあります。
例えば、
・LDKの広さ
・居室の数
・収納量
・バルコニーの大きさ
・吹抜けの有無
・ファミリークローゼット
・ウォークインクローゼット
・リビング階段
など、区画ごとにプランが変わることがあります。
当然、建物の内容が違えば価格も変わります。
「こっちの棟は300万円高いけど、LDKが広くて収納も多い」
というケースなら、単純に「高い」と判断するのは早いかもしれません。
6.隣の家との距離も違う
分譲地では、建物の配置によって隣家との距離も変わります。
隣の家の窓と、自分の家の窓が向かい合っている。
リビングの目の前に隣家の外壁がある。
逆に、隣との間に十分なスペースがある。
こうした違いは、図面だけでは分かりにくい部分です。
日当たりだけでなく、視線やプライバシーにも関係してきます。
「家の中から、何が見えるのか」
ここまで確認すると、区画ごとの違いがかなり見えてきます。

7.ゴミ置き場など、区画によって条件が違うこともある
分譲地を見るときは、意外とこういうところも重要です。
ゴミ置き場がどこにあるのか。
電柱がどこにあるのか。
道路標識やカーブミラーがどこにあるのか。
隣地との境界はどうなっているのか。
こうした条件は、物件価格だけを見ていると見落としやすいポイントです。
もちろん、それだけで価格が大きく変わるとは限りません。
しかし、実際に生活することを考えるなら、確認しておいて損はありません。
8.そして「売主の販売戦略」もある
ここは少し不動産屋らしい話です。
分譲地の価格は、土地や建物の条件だけで機械的に決まっているわけではありません。
売主は周辺の販売状況や競合物件、販売開始からの期間などを見ながら価格を調整することがあります。
そのため、
「この区画のほうが条件が良さそうなのに、価格差があまりない」
ということもあれば、
「こっちの区画は条件が大きく違わないのに、価格が安くなっている」
ということもあります。
つまり、現在の販売価格だけを見ても、その価格になった理由がすべて分かるわけではありません。

価格差=優劣ではない
ここまで読んでいただくと分かると思いますが、同じ分譲地の中でも価格が違う理由は一つではありません。
土地の形。
道路。
日当たり。
駐車スペース。
建物の大きさ。
間取り。
隣家との距離。
周辺環境。
そして販売戦略。
さまざまな条件が組み合わさって価格が決まっています。
だからこそ、私は新築住宅を見るときに、
「一番高い棟が一番良い」
とも、
「一番安い棟がお買い得」
とも考えません。
大切なのは、価格差の理由を確認することです。
例えば5,000万円と4,700万円の2棟があったとして、
「300万円安いから4,700万円のほう」
と決めるのではなく、
「なぜ300万円安いのか?」
を確認する。
そのうえで、
「この違いなら300万円安いほうが自分たちには合っている」
となれば、それは十分に良い選択です。
逆に、
「300万円高いけれど、日当たりや駐車のしやすさ、間取りを考えるとこちらのほうが暮らしやすそう」
という判断になることもあります。
分譲地は「家」ではなく「区画」まで見る
新築一戸建てを探していると、どうしても建物の中に目がいきます。
LDKは何帖か。
収納は多いか。
キッチンは使いやすそうか。
もちろん、これらも重要です。
でも、同じ分譲地の中から1棟を選ぶのであれば、「その家が建っている区画」まで見てください。
同じ分譲地でも、1号棟と5号棟では見える景色も、車の停め方も、日当たりも違います。
価格差には、必ずしも「良い・悪い」だけでは説明できない理由があります。
だからこそ、価格だけを比較するのではなく、
「この価格差で、何が違うのか?」
を見る。
これが、分譲地の中から自分たちに合った一棟を選ぶための大切なポイントです。
