
これから不動産を探す人へ。災害から考える「家探し」保存版
家を買うなら、絶対に見てほしいハザードマップ。
台風や大雨のニュースを見るたびに、
「この家、大丈夫かな?」
と不安になる方もいると思います。
でも、本当に大切なのは、災害が起きてから考えることではありません。
家を買う前に、その場所でどんな災害が想定されているのかを確認しておくこと。
不動産を探すとき、
「駅から徒歩何分?」
「スーパーまで何分?」
「LDKは何帖?」
「駐車場は2台ある?」
もちろん、これも大切です。
ただ、家は一度買ったら、簡単に場所を変えることができません。
だからこそ、
「その家がどこに建っているのか」
を確認することも、物件選びの重要なポイントです。
今回は、不動産を探している方に向けて、ハザードマップの基本から、実際の物件探しでどこをチェックすればいいのかまでまとめます。

そもそも「ハザードマップ」って何?
そもそも、このハザードマップをというものの存在を知らない人もいるでしょう。
ハザードマップとは、簡単に言えば、
「その地域で、どんな災害が起きる可能性があるのかを地図上で確認できるもの」
です。
洪水、土砂災害、高潮、津波など、災害の種類によって確認する内容が異なります。
例えば洪水ハザードマップでは、河川が氾濫した場合に、
- ・どこまで浸水する可能性があるのか
- ・どのくらいの深さまで浸水する想定なのか
- ・浸水がどのくらいの期間続く可能性があるのか
- ・避難所はどこなのか
- ・避難経路はどうなっているのか
などを確認できます。
埼玉県では、洪水ハザードマップについて、想定最大規模の降雨による浸水想定区域や水深、浸水継続時間、避難場所などが示されています。県内63市町村すべてで洪水ハザードマップが作成・公表されています。
つまりハザードマップは、
「災害が起きたらどうするか」を考えるためだけの地図ではありません。
これから家を買う人にとっては、
「そもそも、この場所に住むのか?」
を考えるための資料でもあります。
不動産探しをする際に、確認しないなんて選択肢はそもそも無いのです。
家探しで特に見てほしいのが「水」と「土砂」
埼玉県で新築戸建てなどを探す場合、まず確認してほしいのが、
①洪水・浸水リスク
②土砂災害リスク
です。
① 洪水・浸水リスク
まず確認したいのが、
「その土地は浸水想定区域に入っているのか?」
です。
ここで重要なのが、
「浸水する・しない」だけで判断しないこと。
同じハザードマップでも、
「0.5m未満」
「0.5m~3m」
「3m~5m」
など、想定される浸水深が違います。
例えば、同じ「浸水想定区域」でも、
「床下浸水程度を想定している場所」と、
「1階部分まで浸水する可能性がある場所」
では、意味が大きく違います。
埼玉県も水害リスクマップについて、浸水深50cm以上を床上浸水相当、3m以上を1階居室浸水相当として示しています。
だから、
「ハザードマップに色が付いているからダメ」
ではなく、
「何の災害が、どの程度想定されているのか」
まで見ることが大切です。
② 土砂災害は「イエロー」と「レッド」を確認
山や斜面が近いエリアで家を探すなら、土砂災害も必ず確認しましょう。
土砂災害警戒区域には、大きく分けて2種類あります。
土砂災害警戒区域
いわゆる「イエローゾーン」
土砂災害が発生した場合に、住民の生命・身体に危害が生じるおそれがある区域です。警戒避難体制を特に整備する必要がある区域とされています。
そして、
土砂災害特別警戒区域
いわゆる「レッドゾーン」
こちらは、土砂災害が発生した場合に、建築物の損壊が生じ、住民の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがある区域です。
ここは、かなり強めに言います。
これからマイホームを購入するのであれば、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に入っている物件は、基本的におすすめしません。
もちろん、物件ごとに事情はあります。
価格が安い。
眺望が良い。
駅に近い。
土地が広い。
いろいろなメリットがあるかもしれません。
それでも、
「わざわざ自分から災害リスクの高い場所を選ぶ必要があるのか?」
という視点は持っておいてほしいと思います。
家は「安ければいい」という買い物ではありません。
何十年も住む可能性があるからこそ、購入前にリスクを確認することが大切です。

「ハザードマップに色が付いている=買ってはいけない」ではない
ここは誤解しないでください。
ハザードマップを見て、
「色が付いているから、この物件はダメだ!」
と即判断する必要はありません。
むしろ大事なのは、
「なぜ色が付いているのか」
を確認することです。
例えば、
- ・浸水深は何mなのか
- ・浸水継続時間はどのくらいなのか
- ・河川からどのくらい離れているのか
- ・過去に実際の浸水被害があったのか
- ・避難所はどこなのか
- ・避難経路は安全なのか
- ・周辺より土地が低くなっていないか
ここまで確認すると、物件の見え方が変わってきます。
実は「家の場所」だけ見ても足りない
ここ、かなり重要です。
例えば、
自宅は浸水想定区域ではない。
だから安心。
……とは限りません。
なぜなら、
「家から駅までの道」
「家から学校までの道」
「家からスーパーまでの道」
もあります。
自宅が安全でも、周辺道路が浸水すれば、生活に影響が出る可能性があります。
特に小さなお子さんがいるご家庭なら、
自宅だけではなく、通学路・通勤ルート・駅までの道も確認する。
ここまでやっておくと安心です。
物件を見に行ったら「土地の高さ」も見てみる
ハザードマップと一緒に確認したいのが、
実際の地形です。
同じ町内でも、
「少し高くなっている場所」
「周辺より低くなっている場所」
では、水の集まり方が変わる可能性があります。
物件を見学したときは、建物だけを見るのではなく、
「この土地、周囲と比べて高い?低い?」
という視点でも見てみてください。
道路の傾斜や側溝、水路、擁壁などもチェックポイントです。
「駅徒歩5分」より先に見てもいい情報
不動産広告を見ると、
「駅徒歩○分」
という情報が大きく目に入ります。
もちろん駅距離は重要です。
ただ、
駅徒歩5分だから安心。
駅徒歩15分だから不安。
という話ではありません。
家を買うなら、
駅距離+価格+建物+周辺環境+災害リスク
をセットで考えるべきです。
駅に近いことだけを理由に、災害リスクを見落とすのはもったいない。
逆に、少し駅から離れていても、
「災害リスクが低い」
「生活しやすい」
「土地の条件が良い」
という物件もあります。

不動産屋に聞いてほしい質問
物件を見に行ったら、ぜひ聞いてみてください。
「この物件、ハザードマップではどうなっていますか?」
これだけでもOKです。
さらに、
「洪水の場合、想定浸水深は何mですか?」
「土砂災害警戒区域には入っていますか?」
「過去にこの周辺で浸水被害はありましたか?」
「避難所はどこになりますか?」
「この土地は周辺より低くなっていますか?」
「前面道路が浸水した場合、避難ルートはどうなりますか?」
こういう質問をしてみてください。
不動産屋からすると、物件の価格や間取りだけを聞かれるより、かなり本質的な質問です。
そして、
分からないことは「分からない」と言ってもらうことも大切。
必要なら、市役所や県などの公的資料まで確認してもらいましょう。
「ハザードマップは1枚だけ」ではありません
これも意外と大事です。
ハザードマップには災害の種類があります。
例えば、
- 1.洪水
- 2.内水
- 3.土砂災害
- 4.高潮(埼玉は海がないので関係ないですが、他県の場合はチェック。)
- 5.津波(↑と一緒)
- 6.地震
- 7.液状化
など。
つまり、
「洪水ハザードマップを見たからOK」
ではありません。
その地域で想定される災害を一通り確認するのがおすすめです。
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、全国の防災情報を地図上で確認できます。
また、埼玉県では洪水と土砂災害のリスクを3Dで確認できる「3Dハザードマップ」も公開されています。2026年5月時点で48市町の情報が公開されています。
そして最後に「避難できるか」まで考える
ハザードマップを見たら、
「危険かどうか」だけで終わらせない。
もう一歩進んで、
「もし災害が起きたら、どう動くか」
まで考えてみてください。
例えば、
・避難所はどこ?
・そこまで徒歩で何分?
・そのルートは浸水しない?
・川や水路を渡らないといけない?
・夜でも安全に移動できる?
・小さな子どもを連れて避難できる?
・高齢の家族がいる場合はどうする?
ここまで考えると、
「家を買う」ということが、
単純に建物を選ぶ作業ではないことが分かります。
家探しで使える「災害チェックリスト」
最後に、これから物件を探す方は保存しておいてください。
【物件を見つけたらチェック】
□ 洪水ハザードマップを確認
□ 想定浸水深を確認
□ 浸水継続時間を確認
□ 内水氾濫のリスクを確認
□ 土砂災害警戒区域を確認
□ 土砂災害特別警戒区域を確認
□ 周辺より土地が低くないか確認
□ 川・水路との距離を確認
□ 過去の浸水被害を確認
□ 自宅だけでなく周辺道路も確認
□ 駅までのルートを確認
□ 学校までのルートを確認
□ 避難所を確認
□ 避難経路を確認
□ 地震・液状化についても確認
□ 分からないことは不動産会社に質問
□ 必要なら自治体にも確認
そして、
「価格・駅距離・間取り」だけで決めない。
これを覚えておいてください。
家は「災害が起きていないとき」に選ぶ
不動産探しをしていると、
「このLDKいいな」
「駅近だな」
「この価格なら買えそう」
と、どうしても目の前の魅力に意識が向きます。
それは当然です。
でも、家は何十年も住む可能性があります。
だからこそ、
「もし、この場所で大雨が降ったら?」
「もし、川が氾濫したら?」
「もし、土砂災害が起きたら?」
と、一度だけでも考えてみてください。
災害は、物件の内覧日に合わせて起きてくれるわけではありません。
晴れた日に見た家が、
大雨の日にはどうなるのか。
そこまで想像して物件を見る。
それが、
「災害を想定した不動産探し」
です。
ハウスマンから一言
私たちは、家探しで「この物件がおすすめです」と紹介するだけではなく、
「なぜこの物件を選ぶのか」
を一緒に考えることが大切だと思っています。
駅距離も、価格も、間取りも大事。
でも、
家族が長く暮らす場所だからこそ、災害リスクも同じように確認してほしい。
ハザードマップは、家を買った後に見るものではありません。
重要事項説明の際に初めて知るものでもありません。
不動産内覧時に見るものです。
これから物件を探す方は、気になる物件を見つけたら、ぜひ一度ハザードマップを開いてみてください。
「知らなかった」で後悔しないために。
家探しは、間取りを見るところからではなく、その土地を知るところから。



